東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

絵が描けるって羨ましい

 少し前の記事に書いた通り、PCはマックを使っています。 

wired1997.hatenablog.com

  

初めて自分用のPCを買った当時のことを思い出すと、

すでに持っている人のほとんどはウィンドウズでした。

一般の会社は今でもそうですが、たいがいウィンドウズを使っているので、

自分用にPCを購入する場合も必然的にウィンドウズを選ぶことになるのでしょう。

 

PCでする事といえば、主に文章作成と表計算だと思います。

 

当時の私は、そのどちらも必要がない状況だったので、

そもそもPCを買って「何をしたい」というのは何もありませんでした。

 

それでも欲しくて雑誌を見たりして、どれを買おうか悩んでいたのです。

マックユーザーは主にデザインや音楽関係のプロが使うという感じで、

ウィンドウズに比べてコストパフォーマンスが低いのですが、

ミーハーの私には魅力でした。

 

結局マックを買うのですが、

もともと「何かをしたい」とか「何かをしなければ」というのがないので、

TUTAYAでCDを借りてきては取り込んだりするぐらいでした。

ネットも繋がっていません。

 

そんな時、Illustratorのことを知り、

程なくPhotoshopと合わせて手に入れました。

 

たぶんIllustratorを使いこなしている自分に憧れていたのでしょう・・・。

せっせと教則本を買ってきてはその通りにやってみるのですが、

ひとつつまづくと全くその先に進めないことがよくありました。

恥ずかしくてあまり書きたくないのですが、

半角と全角の違いに気がつかないで・・・みたいなところです。

 

ある時、どうしても分からないことがあって、

マックの先生みたいな友達に電話をしたところ、

直ぐに駆けつけてくれました。

良い後輩を持つことは、人生を豊かにしてくれるものです。

彼はマックについてというより、PC全般の知識に長けていました。

 

「このやり方がわからなくって・・・」と、

軽く聞いた私に彼が何と答えたかを当てられる人がいたら、

私は“はてなスター”を100個プレゼントしたい。

 

彼はこう答えたのです。

 

「イマイさん、画面の向こうに何が見えますか?

 

答えに窮したのはもちろんですが、

聞いておいて私は直ぐに後悔しました。

「画面の向こうに何が見えますか?」ですよ。

彼の期待に沿うような答えが返せるはずもなく、

その後のやり取りの記憶は一切ありません。

 

人に教えを請う時には、人を選ばなくてはいけません。

私が教えてもらいたかったことは、だだの操作の手順なのですが、

彼が私に教えたかったことはマックを使う上での哲学だったのでしょう。

 

一緒にBandを組んだりしていたマック好きの年下の友達という、

当時の彼ですが、

今では現代アート(コンピューターミュージックなど)のアーティストとして、

活躍しています。

 

残念ながら、私のIllustratorスキルは当時とあまり変わりません。

 

イラストが大好きという子育て真っ最中の方のblogを読んでいて、

絵が描けたらIllustratorなんか要らないんだろうな・・・と羨ましく思いながら、

昔のことを思い出しました。

 

 

キャンプまで、あと10マイル

 

私のブログタイトルは「東京まで77.7マイル」です。

なかなか決まらなかったのですが、とりあえずこの名前にしました。

 

「意味はあるの?」と、だれかに聞かれたとき用に

一応理屈は考えたのですが、それはあとづけで、

これといった意味はありませんでした。

 

理由というほどのことではなく、何となく思いついたのが、

小学生だったころに覚えたひとつの歌です。

改めて調べてみると名前は「キャンプまであと10マイル」でした。

もともとは外国の歌だったようで、「Ten Miles From Camp」といいます。

歌詞は単純です。

 あとキャンプまで何マイル~?歩いて休んで9マイル~。

 あとキャンプまで9マイル~!歩いて休んで8マイル~。

 あとキャンプまで8マイル~!歩いて休んで7マイル~。

 あとキャンプまで・・・・・・・・・

4小節ワンパターンで歌詞の中の数字が減っていくだけです。

 

この歌はボーイスカウトで覚えたのですが、

キャンプ地に向かってみんなで歩きながら歌ったのでした。

 

今でも、散歩の途中にふと思いだして口ずさむことがあるのは、

簡単なフレーズの繰り返しというだけでなく、

キャンプの楽しい思い出が心のどこかに残っているからなのでしょう。

 

ブログタイトルを考えているときに、なぜこの歌を思いだしたのかは

自分にもわかりません。

学校は夏休みです。

その過ごし方についていろいろな提案をしていた番組の中で、

キャンプの特集をしていたのを見たのかもしれません。

 

それにしても、古い記憶が唐突によみがえってくることが多くなってきました。

脈絡があるようには思えない状況で、ふっと浮かんでくる感じです。

 

年を重ねたことでだんだん行動範囲が狭くなるし、行動力も衰えてきます。

新しい体験が減ってくることを昔の記憶で補うことで、

脳に刺激を与えているのかもしれません。

 

若い読者の皆さまにはピンとこない話かもしれませんが、

いつかこの話を思いだしてもらえるかもしれませんね。

 

それではまた。

 

将棋世界

 

私のblogを読んでくださっている女性の方の記事に、

藤井七段のことが書かれていました。

“ゲーム好き”とのことだから、将棋を嗜むのかもしれませんね。

驚きつつも、またちょっと将棋のことを書きたいと思います。

 

私は将棋が好きです。

いくつか趣味をもっていますが、何か一つにしなければならないとしたら、

最後に残るのは将棋だと思っています。

 

少し前ですが、藤井聡太くんの活躍により、

「将棋指しがお昼に何を食べたか」が毎日のようにニュースで取り上げられました。

まるで芸能人なみです。

こんな時代が来るなんて全く想像できなかったので、

将棋好きにとっては隔世の感があります。

 

物心ついた頃には指せたので、たぶん最初は父親に教わったのだと思いますが、

20代の頃に少し勉強して日本将棋連盟の参段(アマチュア)を取りました。

参段までは比較的簡単に取れるのですが、四段以上はなかなか取れないようです。

30を超えてからはほとんど「指す」機会もなく今に至っています。

なので、今の正しい棋力と言えばはなはだ心もとなく、

たまに将棋ソフトを相手に対戦してみますが、低いレベルでもなかなか勝てません。

 

ところで、先ほど「将棋を指す」と書きましたが大概のボードゲームは、

それをすることを表す動詞として「する」と言います。

トランプ、オセロ、バックギャモン、チェス、双六などなど、

みんな「する」と言います。

ところが将棋は「する」と言わずに「指す」と言うのですね。

 

ちなみに囲碁は「打つ」と言いますが、どちらも一勝負のことは「一局」と言います。

 

将棋が上達するためにはいろいろな方法があります。

・定跡を覚える

・手筋を勉強する

・いろいろな戦法を勉強する

・得意な戦法を持つ

・プロの棋譜を並べる

・詰め将棋を解く

・実践をこなす

 

いろいろあるものです。

 

それにしても覚えたり勉強したりするのは根気がいます。

もっと手っ取り早く強くなる方法はないかと思っていたら、

昭和の大名人・大山康晴先生が将棋世界(月刊の将棋雑誌)のインタビュー記事で

「上手になりたかったら、良い道具をそろえなさい」と書かれていました。

 

その通りに違いないと思って、少し無理をして新しい道具をそろえました。 

20代の後半でしたが当時はインターネットなど全くなく、

将棋雑誌に載っている碁盤店の小さな広告でしか商品が見られない時代です。

毎号、数店の碁盤店が広告をだしていましたが、それでも、

すごく少ない情報で商品を選ばざるを得なかった記憶があります。

相当迷ったに違いありませんが、数ヵ月後に新しい駒と盤を手に入れました。

書体は写真の通りです。

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道具をそろえて強くなったかというと、

正直なんとも言えません。

 

確かなことは、上達に近道はないということだけですね。

 

ジョナサン・アイブ(Apple)に憧れて

 

8月2日、Apple社の株が207ドルを超え、

時価総額1兆ドルを初めて達成した米国企業になりました。

1兆ドルとは現在の為替で計算すると、約111兆円です。

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 日本企業の時価総額ランキングを調べてみると、

第1位はトヨタ自動車で23兆円弱、第2位のNTTドコモは11兆円弱ですから、

そのすごさのとてつもないことがわかります。

 

私はPCもスマホApple製品を使っていますが、

決して熱心なApple信者ではありません。

 

一時期は独創的なデザインと先進的な機能に惹かれ、

それを所有する喜びももたらしてくれたのですが、

最近はそれも薄れてきたように感じます。

 

現在、Appleの稼ぎの6割はiPhoneですが、

他社製品との圧倒的な差別化が出来ているかと言うと、いささか疑問です。

 

今の世代のAppleユーザーは、iPhoneiPadから入ってくるのだと思いますが、

その前の世代はiPodiTunesでした。

 

私はその前の世代なので、入口はPCです。

1998年に発表されたiMacは,

半透明(トランススーセント)の筐体を採用したデスクトップですが、

そのデザインは衝撃的でした。

 

Appleといえば、スティーブ・ジョブズです。

 

2011年に56歳の若さで惜しまれながらこの世を去ってしまいましたが、

今なお世界中のビジネスマン、マーケッターに大きな影響を与え続けています。

 

「今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?」と語りかけた

スタンフォード大学の卒業式講演は、伝説のプレゼンテーションとして

これからも語り継がれていくことでしょう。

YouTubeでも手軽に見ることができます。

 

「人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」

と言ったスティーブ・ジョブズが、現代の天才であることに異論はありませんが、

私がApple社で好きな人は、別の人です。

 

名前はジョナサン・アイブ(Jonathan Paul Ive)

 

数々のAppleの主力製品をデザインしてきたイギリス人デザイナーで、

現在は、Appleのインダストリアルデザイングループ(IDG)担当

上級副社長の要職にいます。

 

彼を好きになったのは、もちろんその製品デザインにあるのですが、

実はあるとき雑誌で見た一枚の写真が決め手になったのです。

そこには穏やかで静かな微笑を浮かべた彼が写っていました。

 

Tシャツにジーパンというシンプルさは

彼のデザイン哲学を体言していて好ましかったのですが、

当時のIT関係者の多くも同じような格好だったので、

それはある意味普通でもありました。

 

際立っていたのは髪型で、ベリーショートだったのです。

そこまで短くするというのは、

海兵隊とか消防士のような職業の人という思い込みがあったのですが、

素晴らしいデザインをする人が以外にも坊主頭であることに驚いたのです。

 

ひと目見て参ってしまった私は美容院に駆け込み、

出来る限り短く切って欲しいと頼んだのでした。

 

ジョナサン・アイブのようになりたいと言っても、

美容師さんにわかるわけがないので、

せめて写真を持っていくべきだったのでしょう。

そうすれば「お客さん、同じ長さに切ってもこうなりませんよ」と、

教えてくれたに違いありません。

 

切ってしまえば後戻りはできません。

仕上がった鏡の中の自分に、ものすごく落胆したことを今でも覚えています。

 

その髪型はもちろん丸刈りで、ひいき目にいっても

交番に張ってある所在不明の人のような雰囲気でした。

せめて高校球児のような爽やかさがあればいくらかの救いにもなるのですが、

少なくても狙っていたデザイナーといわれる感じは皆無でした。

(もちろん私はデザイナーではないのですが・・・)

 

暑い時期でしたが、出かけるときは失意とともに

しばらくニット帽をかぶっていました。

懐かしい想い出です。

 

女の子が憧れのスターのまねをして髪型を変えることを

「それは無理だろう・・・」と、とても私は言えません。

いたいほど、その気持ちが分かるから。

 

失敗を経験することは、決して何かを失うだけではありません。

失敗することで、他者への寛容を生むのです。

 

少し古い話ですが、2009年「FAST COMPANY MAGAZINE誌」による

「ビジネスの世界で最もクリエイティブな人 100人」の第一位に選ばれたのは、

「Jonathan Paul Ive」その人でした。

 

私の「Siri」

 

いい年をした大人がスマホに向かって話しかけるのは、どうも体裁が悪いものです。

使うことはなかったのですが、先日はじめてそれを使ってみました。

 

iPhoneに搭載されている音声アシスタントは「Siri」と呼ばれています。

いわゆる人工知能ですね。

たいがいのことにすぐさま答えてくれるみたいなので、相当頭がよいのでしょう。

 

古い友人と、あるコーヒーチェーン店で待ち合わせをすることになり、

そこへ向かいました。

行ったことのない店ですが、なんとなく見当がつくから心配ないと思って。

車で20分ぐらいの距離です。

「この辺だったかな」と思って来たのですが、

結局よくわからなくなってしまいました。

近くまで来ているのは間違いないのですが・・・。

 

車を停めてどっちに行こうか考えているときに、ふと「Siri」を思い出しました。

操作は簡単で、「一番近い○○はどこ?」と聞いてみたら、

すぐさま答えてくれたのですが、その答えが驚きでした。

 

地図まで付けて教えてくれた店は、今居る所から80キロぐらい離れていて、

到着に2時間以上かかるというのです。

あまりにおかしかったので、iPhoneを落としそうになったぐらいです。

 

待ち合わせた相手に

「悪いけど、今日はダメになった。そっちに行くのに2時間かかる」と言って、

Siriの話をしたら大笑いされました。

 

電話をしたところからその店までは、だいたい500メートルぐらいだったのです。

 

Siriは世界の人を相手にするわけだから、

もしかしたら1人(?)ではないのかもしれません。

端末によって割り振られているのでしょうか。

料金プランによって、賢さに違いがあることも考えられます。

ある意味、合理的ですからね。

 

そうだとすると、私のiPhoneを担当しているSiriは相当の「まぬけ」です。

 

それとも、私の聞き方が悪かったのでしょうか。

以来、Siriとは話してません。

 

モンステラの骨折

 

あるとき、部屋のモンステラの葉の一部が折れていることに気付いた。

二年前ぐらい前のことだったと思う。

 

張り出した大きな葉の一箇所だけが 、

カクンと“うなだれている”ようになってしまったのだ。

 

植え替えのときなのか、移動させたときなのか、

はたまた横を通ったときにぶつけたのか、

覚えがないのだが葉脈を折ってしまったようだ。

 

ケガをさせてしまったのは自分の不注意には違いないので、

どうしたもんかと考え、とにかく手当をしてあげることにした。

 

普通の怪我ならバンドエイドだが、今回は骨折だ。

骨が折れたら添え木だろうと、考えたのがこれである。

 

材料は電気絶縁テープと針金。

 

まずはテープである。

手元にある色々なテープを取り出して、どれがいいのか考えてみた。

集めたのは、セロテープ、ガムテープ(紙)、クラフトテープ(布)、

養生テープ、水道管に巻いたりするビニールテープなどである。

 

すぐに剥げてしまってはダメだし、

そうかと言ってあまり接着力が強くても、

後々問題が起きる可能性がある。

治ったら、剥がしてあげるわけだから。

治療期間の見当はつかないけれど、ベタベタしてきてもいけない。

貼ったところが痒くなっても教えてはくれないから。

 

結果、Scotch電気絶縁テープにした。

 

一応考えたつもりだが、正直それほどの根拠はない。

決めてはブランドである。

 

ちなみに、シート状のマグネットを切って、

両面からくっつけるというのも考えたが、重量オーバーである。

負担を考えて、却下。

 

テープを貼っただけでは、折れた葉を元の形に支えられないので、

次は添え木に相当するモノを何にするかである。

同じように、楊枝、竹串、綿棒、ストローなどを集めて考えてみた。

 

家にあるモンステラの中でも、葉の大きさは群を抜いていて、

折れた箇所で約40センチの幅がある。

葉っぱとは言え、なかなかの重量である。

さらに、患部はなだらかな曲線を描いている。

 

結果、針金が選ばれた。

 

私は一応針金作家と呼ばれた男でもある。

素材は真鍮で、葉脈を挟むように、2本を配した。

念のため、再現したものを撮影したが、

イメージをつかんでいただければ幸いである。

 

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何度か長さを調整しつつ張り替えたが、

現在の様子がこれである。

 

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上から三枚目のところであるが、

表面から見た限りでは、怪我をしていたとは思えない。

裏側を見ていただきたい。こんな感じである。

 

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とにかく、とても元気だ!

 

暑さが収まったら、そろそろ外してあげようと思う。

葉脈はつながったのかなあ?

 

雨の日の夜に、三匹の小とんぼ

 

前橋市に「土砂災害警報情報」が出たと、

テレビのテロップで知らされました。

20時55分のことです。

 

夕方から、降っては止んでの繰り返しですが、

さほどの雨量でもないので見間違えかと思ってネットで確認したところ、

その通りでした。

 

土砂災害危険度マップというのが一緒に出ているのですが、

アバウトすぎて実際にはどの地域なのかが良くわかりません。

 

外の様子を見るために玄関を出てみると少し風もあって、

昼間の暑さがいくらか和らいだようです。

 

ふと風に揺れるオリーブの木に目をやると、

同じ向きで三匹のトンボが羽根を休めています。

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せっかく休んでいるのに、ストロボを焚いたら可哀想かと思ったのですが、

風で揺れてもビクともしないので寝ていることを願って

二枚の写真を撮らせてもらいました。

撮った後も、そこにいてくれたのでちょっとホッとしています。

 

この写真が,

「夏バテかも・・・」と書かれていた方に、

少しでも元気を届けられたらと願って届けます。

 

雨音も、少し小さくなってきたようです。

それではまた。