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思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

ワイヤーワークの世界 Vol.5(S)

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Vol.4では多肉植物を植え込むためだけの器を、

植物を植え込んだ状態で公開したので、

器だけの写真を載せませんでした。

別に出し惜しみではなく、

正直そのままでは作品というほどでもないので

要望があればいつでも公開したいと思っています。

ちなみに多肉リースのベースについては、

既製品のチキンネットを使って

自作する方もおられるようですが、

これはワイヤーだけで作っています。

一応、念のため。

 

ということでVol.4では、

ワイヤーワーク自体が見えなかったので、

今回はワイヤーワークを見せる作品に戻します。

テーマは「ランプ・シェード」ですが、

光源は裸電球を想定していました。

当時は、LED電球がなかったので、

裸電球しかイメージできなかったのですが、

現在は色々とありそうなので、

その気になれば面白いものができるかも知れませんね。

 

ワイヤーだけでは電球の光が素通しなので、

他の素材(耐熱紙等)と組み合わせたり、

麻紐を編み込んだりして面を作ったりしましたが、

今回は100%ワイヤーのものです。

線に見えないものは、

ワイヤー(アルミ)をハンマーで叩いて、

平らにしたものを使っています。

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最後に、過去記事をひとつ。

ビー玉を使ったシェードを載せていますので、

よろしかったらどうぞ。

ブログ内、唯一の顔見せをしています。

wired1997.hatenablog.com

 

それでは、また。

ワイヤーワークの世界 Vol.4(M)

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Vol.1からVol.3まで、

ワイヤーが主役となる作品を紹介してきたので、

今度は裏方に徹したものを公開しようと思う。

時期としてどうかと思えなくもないけれど、

気が向いたときにやらないと、

いつになるやら分からないので、

とにかくアップしてみることにする。

 

植物関係のブログを拝見すると、

多肉植物を育てている方が多いことに驚く。

ご存知ない方のために簡単に書くと、

多肉植物(サキュレント)とは肉厚の茎や葉に

水を貯めることのできる植物で、

サボテン(カクタス)もその一種である。

基本的に丈夫で栽培の容易なものが多いので、

人気が持続しているのだろう。

 

植物の中でも相当地味なカテゴリーだったのに、

ジワジワと陽があたるようになってきて、

希少品種はとんでもない価格で

取引が行われるまでになった。

親指ほどの大きさで100万円などと聞くと、

驚きを通り越して怖い。

東南アジアの富裕層が

投資目的で買いあさっている実話を色々聞いたけど、

最近はどうなんだろうか…。

 

ワイヤーワークを初めた頃、

そこに載っていた「1枚の写真」を見せたくて、

友達がある洋書を持ってきてくれた。

それは多肉植物のリース」だったのだが、

その時、初めて多肉植物という存在を知った。

リースと言えば掛けるものだと思っていたのに、

そのリースはダイニングテーブルに置かれていて、

それだけでも新鮮だったのだが、

とにかく多肉の持つ不思議な美しさに魅了された。

 

今から20年くらい前である。

 

リースのベースをどうやって作るのか、

その本には書かれていなかったので、

その後試行錯誤を繰り返し、

ようやくオリジナル容器を完成させた。

素材はオール・ワイヤー(鉄)で、

キャンドルを立てる部分を付けたのが、

ちょっとお洒落で自慢だった。

この容器は植物が植え込まれることで

初めて用を足すものである。

植物が入った時点で完全に隠れてしまうのだが、

まあそれはしょうがない。

 

その後、多肉を植え込んだリースを

販売することになるのだが、

価格が高すぎて、あまり売れなかった。

 

こんな感じ。

直径は約27センチです。

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少し、早すぎたのかもしれない。

 

それでは、また。

ワイヤーワークの世界 Vol.3(SS)

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ワイヤーワークという限り、

潔く、ワイヤーだけでどこまで作れるかを

考えたいもの。

 

ところが、それに行き詰まってくると、

他の素材との組み合わせに魅力を感じてきます。

 

鉄のワイヤーだけでは太さの変化はあっても

基本的に無彩色の灰色だけなので、

印象そのものは変わりません。

 

Vol.2のように、

電球と合わせるというのも手だけれど、

今回はもう少し違うアプローチで作ったものを

ご紹介します。

お気に入りのテラ鉢に合わせて作ったのですが、

テラ鉢 in テラ鉢はご愛嬌。

作品はベースになる木片から、

小枝がワイヤーに立ち上がっていくものと、

ワイヤーから小枝に変わっていくものです。

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自然な木を合わせると、

ワイヤーの持つ硬い印象が和らぎますし、

小さなグリーンにも癒されますね。

 

それでは、また

ワイヤーワークの世界 Vol.2(S)

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前回の記事(Vol.1)に掲載したハンギングバスケットは、

NHKの「趣味の園芸」等で活躍されていた、

柳生真吾さんにプレゼントしたものと、ほぼ同型。

記事を公開した後、しばらくしてそのことを思い出した。

 

山梨にある「八ヶ岳倶楽部」に持参したものを、

気持ちよく受け取っていただいたのだが、

一角にあるレストランの端っこで、

柳生博さんがニコニコとビールを飲んでいた様子が

昨日のことのように思い出される。

真吾さんが47歳という若さで急逝されたことを、

ファンの1人として、今でも残念に思う。

 

ハンギングは、基本的に寄せ植えである。

一般的なコンテナ・ガーデン(鉢植え)は

地面に置かれるものだけど、

ハンギングは人の目の高さか、

あるいはさらに高いところに飾られる。

空中花壇と呼ばれる所以である。

 

なので、上から見て鑑賞するものとは、

植え込み方が全く違うのが特徴だ。

普通の鉢は、上部からしか植え込めないけど、

ハンギンのバスケットは、

側面も植えられるようにしないといけないのだ。

植え込みの技術も、その後のメンテナンスも、

ある程度勉強しないとなかなか上手くいかない。

私は、寄せ植えのセンスがなく、

正直さっぱりダメだった…。

 

ということで、

ハンギング・バスケットと言っても

ぴんとこない方々のために、

今日は、一見してわかるものをご紹介。

素材は、ワイヤーと本物の裸電球。

それからビー玉ひとつ。

 

テーマは「一輪挿し」で、

挿してあるのはベビー・ティアーズです。

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それでは、また。

ワイヤーワークの世界 Vol.1(L)

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ワイヤーワークの記事がふたつ続いたので、

切り替えようかと思ったけど、

懲りずにいってみる。

ワイヤーワークと言っても、

その世界には色々なジャンルがあって、

ひとくくりにはできない。

 

アクセサリー作りにワイヤーは付き物だから、

広義にはワイヤーワークの仲間だろうし、

伝統的な針金細工も少なくなってきたとはいえ健在だ。

料理に使う道具には、

職人さんの作る素晴らしいものが残っている。

河川の堤防は、今でこそコンクリートになっているけど、

昔は石を積み上げたものがほとんどだった。

積んだだけでは強度が足りないので、

その上から太い針金を網状に掛けていたのだ。

最近は見かけることもなくなってしまったが、

その作業を現場でする針金師がいたという。

(いつの時代だって話ですが…)

 

私も短い期間、ワイヤーワークを生業としていた。

数年の間にずいぶん作ったけど、

残念ながらほとんど手元にはない。

 

はてなブログを始めた頃、

十数年ぶりに創作を再開し、

当時のことも少し記事にした。

これからハンドメイド作家を目指す人に、

なんらかの手助けが出来ればと思ったからだけど、

どうも役に立っている気配はない。

 

とにかく記事は書いたけど、

過去に作ったものを紹介することは

なんとなく控えてきた。

理由はふたつ。

悲しいかな腕が落ちているだろうから、

当時のものをもう一度作ろうとしても、

たぶん出来ないだろうということが、その1。

今作れないものをわざわざ見てもらうのは、

あまりかっこいいとは思えない。

 

もうひとつは当時の現物が手元になく、

残っているのは紙焼きの写真だけということ。

当時は、デジカメの時代に入る少し前である。

実は、昔使っていたスキャナー(EOSONのGTF-500)に、

電源を入れてみたのだが、

残念ながら今使っているPCでは使えなかった。

今更フィルムスキャナーを買う気は起きない。

 

ところが、である。

Googleのフォトスキャンというアプリで、

紙焼き写真をデジタル化できるという。

試しに使ってみたら、

雰囲気を伝えるには十分なので、

先に上げた理由はどうなってるの?って感じだけど、

少しずつ過去作品を紹介しようと考えている。

 

第1回目は、ワイヤーのプランターを2品ご紹介。

 

最初の1枚はスタンドタイプ。

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写真ではわかりにくいけど、

フルーツ(本物)が入っているところが、

植え込みのスペースだ。

ボール状(半円)に作ってあるけど、

このままでは土がこぼれてしまうので、

シート状の苔や椰子のマットを

薄く敷きつめて使うイメージである。

高さは1メートルちょっと。

 

 

2枚目は、同じものに鉢植えのものをポンと置いたところ。

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割としっかり作ってあったので、

耐荷重は20キロくらいはあったと思う。

 

最後は、ハンギング・バスケット。

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釣り手のワイヤーを入れないで、

高さは60センチ以上あったと思うので、

なかなかの存在感がある。

風で揺れるクルクルがアクセント。

鉢を入れて撮影しているけど、

本来は1枚目と同じで、ハンギング用である。

側面も丁寧に植え込めば、

30ポットくらいは楽に入る大きさだ。

ハンギングバスケット・マスターが

「コンテストに出品するための器」

というイメージである。

なまし鉄線を使っているので、

出来立ては真っ黒だけど、

外にほったらかしにしておくと、

少しずつ光沢が抜け、だんだん味が出てくる。

 

以前は、こんなものを作っていました。

 

それでは、また。

2態のハンギングの試作過程(S)

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本来的にハンギング・バスケットとは、

その素材や大きさに関わらず

植物を直接植え込むための容器である。

また、植え込まれたもの自体を、

ハンギング・バスケットということもある。

なので、前回紹介したオブジェ(制作途中)は、

そこに植え込むことは考えていないので、

ハンギング・バスケットではなく、

プランター・カバーと言うべきなのかもしれない。

 

ところでハンギングは大きく分けて、

ふたつのタイプがある。

ひとつは吊り下げるタイプで、

現在作っているのがまさにそのタイプ。

もうひとつは、壁掛けタイプだ。

吊り下げるタイプは、

基本的に3本のワイヤーを用いることが多い。

なので、その3本をどこから出すか、

どのくらいの長さがいいかが悩みどころでもある。

 

今回は、ビール瓶を収める前提なので、

そのバランスがなかなか決まらない。

とりあえず昨日の失敗を修正して、

底にストッパーを付けてみたけど、

そこで手が止まってしまった。

ビール瓶をセットしてみたら、

器の高さが足りないような気がしてきて、

抜本的に変えなきゃダメかもしれないと…。

 

考えているうちに、

せっかくというか、気分転換に、

壁掛け(写真右)も同時に作ってみることにしたので、

こちらもまだ中途半端だけど、公開してみる。

こちらもビール瓶の一輪挿し用。

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どちらにしても、

写真だとなんだかよく分からないので、

もう少しなんとかしないとね。

どっちが先に仕上がるのか、

全くの気分次第だけど、

のんびり作ろうと思う。

 

それでは、また。

久しぶりのワイヤーワーク(L)

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思うところがあり、

先週からペンチを握っているのだが、

久しぶりのせいなのか、

いまひとつ完成形のイメージが湧かず、

思うように制作が進まない。

とにかく悲しくなるくらい集中が続かず、

ちょこっとやっては止め、

また、ちょこっとやっては止めの繰り返しで、

思うようにどころか、

一向に、はかどらない感じだ。

 

そのうえ、ラジペンを握る指に力を込めるたびに、

肘の骨がシクシク痛むのも、

古傷のせいとはいえ鬱陶しいし、

そもそもこの程度の(ワイヤーの)太さで

すぐに痛みが出るのは情けない。

ちなみに、この作品で使っているワイヤーは、

#14と#16の鉄線である。

それほどの太さではないので、

情けないだけでなく困ったものである。

 

何事においても適度に間を開けることで、

新鮮な気分で取り掛かれることもあるけれど、

図らずも開け過ぎたことで、

取り戻すのが難しくなってしまうこともある。

「技」というのは、

使わなければキレがなくなるもので、

「継続しなければ、力は落ちる」ということ。

 

集中力のなさは、心というか気持ちの問題でもある。

スポーツの世界で言われる、

心・技・体を一致させることの大切さは、

そのまま創作の世界にも当てはまるに違いない。

 

・・・と言うか、

「うだうだ、ぐだぐだ」はともかく、

今回作りたいのは、

「ビールの空き瓶を使った一輪挿しを吊るための、

 ワイヤー・ハンギング・バスケット」である。

なんか気が利かない名前なので、

もう少し整理してみると、

「ビールの小瓶を使った、

 ハンギングタイプの一輪挿し」である。

まぁどっちもどっちだけど、

要はハンギング・ツールである。

 

ビールの小瓶といえば、

ハイネケンなどの海外ものだけでなく、

全国各地にある地ビールのボトルにも、

一輪挿しに向く、お洒落なものが色々ある。

これって中途半端な専用容器より、

よほど絵になるのではないか。

今回は、そのまま置くだけでは芸がないので、

ハンギングにするということ。

 

ところで、少し前に五十輪挿しの記事を書いた。 

wired1997.hatenablog.com

 

ローズマリーの穂先を50本用意し、

1本1本丁寧に試験管に挿したのだが、

あろうことか1本も発根しないという

残念な結果であった。

原因は色々考えられるけど、

とにかく全滅。

ところが試験管に比べてビール瓶というのは

植物にとって相性が良いようだ。

水替えもそれほど神経質にやらなくても、

経験的には、ほとんど発根してくれるので、

水耕栽培に向いているのかもしれない。

 

話が逸れてきそうなので

ワイヤーワークに戻す。

 

なんやかんやといっても、

それでも作り続けていけば、

少しずつ形になっていくもので、

とりあえずの基本形が出来たところで、

それじゃあと、少し番手を上げて

ファースト・サンプルを作り始めたのだが、

詰めが甘かったというか、

最後に落とし穴が待っていた。

説明するより写真の方が良さそうなので、

中途半端な途中経過をあえて公開。

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ファースト・サンプルは向かって右側だけど、

なんと1本の短いワイヤーの行き先がない!

黄色い付箋の付いたやつ。

 (注:わかりにくくて、すいません。)

これって、スタートしたばかりのスゴロクで、

「みっつ、もどれ」と言われた感じ。

 

あ~悔しい…。

 

でもよく考えたら、

このスゴロクは1人プレーなので、

どんなにゆっくり進んだとしても、

最初にゴールするのは自分。

だったら、ぼちぼち行けばいいってこと。

まぁ、気を取り直すのも大事です。

 

それでは、また。