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思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

針金細工教室「ワイヤーワークの基礎 その4」

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前回の宿題(エクササイズ)は、いかがだったでしょうか?

 

wired1997.hatenablog.com

 

4本のワイヤーを使って四角形(平面)を作ってみましょうということと、

そのプロセスにおける“ある作業”は何かでした。

 

ポイントは以下の三つです。

  1. ワイヤーを切る
  2. 形を考える
  3. ワイヤーを繋げる

ではひとつずつ説明してみたいと思います。

 

最初は「ワイヤーを切る」です。

 

みなさんは「7センチに切ったはずのワイヤー」を、

本当に「7センチで切れたか」を確認しましたか?

長さは、4本を指ではさんで平らなところ(デスクなど)に立てれば一目瞭然です。

マッチ棒(最近はあまり見かけませんが)を4本取り出して四角形を作れば、

ほぼ真四角が出来上がります。

当たり前ですが、それは4本が基本的に同じ長さだからです。

 

あなたが切ったワイヤーがほぼ同じ長さに切られていれば、

それを使った四角形はキレイな四角形になる可能性が高いのですが、

もし不揃いだったとすれば、それではゆがんだ四角形になってしまうのです。

 

今回は7センチで切るということでしたが、

切ったあと測ってみたら2本はぴったり7センチで、

残り2本が7.1センチと6.9センチだったとします。

つまり一番長いワイヤーと一番短いワイヤーの差が2ミリということです。

実は、この2ミリの違いがその後の造形に影響を及ぼすのですね。

 

今回は4本を揃えるだけでしたが、

本数が増えてくるとこの誤差は大きくなっていくものです。

また、長さの誤差が問題になるのは、ワイヤーの長さにも関係しています。

30センチの長さに揃えたい場合に、その差が2ミリであるならば、

ほとんど問題にする必要はないのですが、

3センチに対して誤差2ミリは許容しにくいものです。

 

実は、同じ長さに切り揃えるというのは、なかなか難しい作業なのです。

 

では原因と対策です。

 

長さを決めるためにはワイヤーを測らなければなりません。

私は、デスクに置いた定規にワイヤーを沿わせて測る場合と、

ワイヤーも定規も浮かせた状態で測る場合があります。

使い分けは、必要な長さの違いです。

定規を置いたままの方が誤差は小さくなるので、短く切るときはそうしています。

 

また、ワイヤー自体は束になって丸まっていると思いますので、

切る前にその部分は出来るだけ直線化しておくことも必要です。

直線化の方法は、ワイヤーを平らな面に置き、

それを固くて平らなもので上から押さえつけながらコロコロとさせます。

 

また、ワイヤーを切るためには切る場所に印を付けたと思いますが、

あなたは何で付けましたか?

 

私はサインペンです。

本当は細字で付けたいのですが、よく見えないので中字の太さです。

どちらにしても、付けた印には必ず太さがあるものです。

印のどこにペンチの刃を当てるかによっても、当然切り取られる長さが変ってきます。

 

「切ること」は技術的なことですから、実際の作業を積み重ねることで。

段々と上達していきます。心配はありません。

 

次は「形(カタチ)を考える」です。

この「形を考える」とは、造形のイメージを描くということです。

 

ところでみなさんは、今回の宿題でいくつの四角形を作ったでしょうか?

 

私は参考例となるものを4個作ってみました。

一つは長方形、残りはほぼ真四角ですね。

もちろん、どれが正解ということではありません。

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考えれば、さらに違う作り方があると思いますが、

ここで示したかったのは四角形という単純なテーマに対しても、

複数のアプローチがあるということです。

 

つまり、全体の形をイメージすることと、それを実際の形に仕上げていくための

パーツの繋げ方(繋ぎ方)を同時に考えましょうということです。

繋ぎ方で、仕上がりのイメージが随分変わります。

強度も変わります。

 

宿題に戻って「ある作業」とは、

この「パーツをどのように繋げるかをイメージすること」でした。

「設計をする」といってもよいでしょう。

それから、イメージはそのままにしておくと忘れてしまいますので、

メモしておくことをオススメします。

 

最後は「ワイヤーを繋げる」です。

基本は繋げたいワイヤーを巻き込んだあと、

しっかり自分に戻ってくるイメージですね。

「ワイヤーワークの基礎 その3(基本技術1)」に載せた、

留めの写真をもう一度確認してください。

 

基礎ということでは、少し難しくなってしまいましたが、

知っていれば、いつか出来るようになると思いますので、

敢えて踏み込んでみました。

 

それではまた。

次回をお楽しみに。