ランチタイム(忍び寄るAI)
友だちとお昼を食べていてAI(人工知能)の話になりました。
少し前に見た白熱教室を思い出したからです。
白熱教室とはハーバード大のマイケル・サンデル教授が若者たちと
「あるテーマについて白熱の議論を展開する」というテレビ番組(NHK)です。
双方向な授業形式として、好意的な評価が多くある中で、
あれはダメだとの論評もあるようですが、難しい話は評論家に任せておくとして、
私が見た放送の内容はこうです。
マイケル・サンデル教授:
「みなさんは車の自動運転技術の核となるAI(人工知能)の
プログラミング技術者だとします。
あらゆるケースを想定してプログラミングをするわけですが、
このようなケースではどうしますか?」
と、若者に尋ねます。
このようなケースとは
「車が交差点にさしかかった時、子どもを連れた人が赤信号を無視して、
車道に入ってきました。
突然だったため、既にブレーキでは間に合いません。
避けようと急ハンドルを切れば、運転者は確実に死んでしまいます。
(たしか壁にぶつかるか、崖に落ちるかだったと思います)
真っ直ぐ行けば歩行者を殺めることになります。
ドライバーか歩行者のどちらかが死んでしまうという究極の二択状況です。
このような状況に遭遇した時、
あなたは自動運転車をどう動かすようにプログラミングしますか?」
という「問い」でした。
参加者が、それぞれの意見をその根拠とあわせて発言していくのですが、
この番組は、必ずしも結論を出すことを目的としていません。
究極の選択のような難問に対して次々と手が上がるのは、
若者が飛び抜けて優秀だからなのか、
そもそもテレビ番組なので、
事前に「問い」が明かされているからなのかは分かりませんが、
どちら側の意見もなるほどと思わせる説得力を持っているので、
私ならどうするか?の迷いは深まるばかりです。
プログラムを書くのは人間です。
自動運転という情報技術の塊のような製品を完成させる上でも、
それをプロミングする人の倫理観や哲学が
プログラミングに反映されるということなのですね。
とにかくそんな時代に入ってきたということなのでしょう。
お昼の相手は
「もし自分が運転していたら、ハンドルを切るだろう」とすぐさま答えました。
自己犠牲を厭わないという事です。
だから、プログラミングもそうするだろうと明快です。
今度は彼が、
「麻雀で人間に必ず勝てるAIは出来るか?」と聞き返してきました。
偶然、少し前になんかの会合で、その話で盛り上がったというのです。
イメージはAIを搭載した人型ロボットですね。
麻雀は4人で卓を囲むのですが、誰かに代わってAIロボットが入るのです。
オセロはだいぶ前に、解決されたゲームとなっています。
AI以前の話ですね。
その後「囲碁」も「将棋」もAIに勝てなくなってしまいました。
そこで、麻雀はどうか?というのです。
私にAIの知識はありません。以前「私のSili」に書いた通りです。
あーじゃない、こーじゃないと言ってるうちに、
ランチタイムは終了し、結論は出ぬまま「またね」で仕事に戻りました。
その後私が出した結論は、
「絶対負けないAI麻雀ロボットは当分現れないだろう」という事でした。
理由は、全能のAIを持ってしても
「運」を読み、コントロールすることは出来ないだろうと思ったからです。
皆さんはどう考えますか?