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思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

手料理に憧れて(M)

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お隣の家の献立を、実際に見たことはありません。

その隣も、またまたその隣のお家の献立も・・・。

もっと言えば、想像したこともありません。

 

ブログを始めて驚いたことがたくさんありますが、

そのひとつに多くの方が手料理の写真を公開していることでした。

そもそも料理にあまり関心がないので、

積極的に「美味しいもの探し」のような見方をしないのですが、

日常の中にある料理は見ていて飽きません。

本職は料理人かと思えるようなものから、

特別な日の特別な料理も素晴らしいのですが、

一番好きなのは

「失敗しちゃったけど、これが今日のおうちご飯です!」

みたいなものです。

どれも本当に美味しそう。

「今日のお弁当!」も思わず見とれてしまいます。

 

トラウマと言う言葉はあまり好きではないのですが、

高校2年の頃の話です。

通っていたのは男子校でした。

 

あるとき同級生が弁当を2つ持って登校してきました。

1つはもちろん自分の分、もう1つは私の分でした。

実は高校に入るころ両親が離婚したので、私のお昼は毎日外食でした。

彼の持ってくる弁当は、ほぼ毎日同じようなおかずだったのですが、

うらやましそうに見ていたのかもしれません。

「オマエは弁当持ってこられないから」

と言って、わざわざ作ってきてくれたのです。

その後も何度か作ってもらったような気がするのですが、

とにかくそのときの嬉しさは、

何十年もたった今でも全く褪せることがありません。

誤解を恐れずに書けば、

当時の私は高校生としては十分な小遣いを持っていました。

外食といっても好きなものを食べていたのです。

 

私が味わったのは、お金で買えるものではなく、

同級生と、そのお母さんの温かさでした。

 

この人のためにと思って作ってもらったものは、

味がどうのとごちゃごちゃ言わずに

男は「おいしい、おいしい」と食べればいいのだと思います。

そう思いませんか?

 

ところで、うちのカミさんですが、料理は大ッキライです。

できることなら料理の話は書きたくなかったのですが、

まあ、人生はこんなものです。

 

それでは、また。