じゃあまたね(L)
私には2つ下の妹がいます。
お互い年をとったけれど、とても仲が良い兄妹です。
東京にいるので会おうと思えばいつでも会えそうなのに、
なかなか会えないのがちょっと残念です。
先日ある会合で、絵画教室の代表の方と挨拶を交わしました。
絵画教室の名前はうろ覚えだったのですが、
大昔、妹が通っていたところかもしれないと思い、
「だいぶ前のことなんですが、
銀行に勤めていた妹が通っていたような気がして・・・」
と話を向けると25年前ぐらい前のことだというのに、
何と妹の名前まで覚えていました。
びっくりです。
私が高校に入る頃、両親が離婚しました。
妹はまだ中学生でした。
今と違って、離婚する夫婦はまだまだ少なかった時代です。
その頃のことはあまり思い出せないのですが、
早熟だった私は親の離婚に対しても、
割と淡々としていたような気がします。
遊んでばかりいた私ですが、
唯一気がかりだったのが妹のことで、
グレたりしないようにと、
妹といる時間を意識して増やした記憶が残っています。
それが良かったのかどうかは分からないけど、
ちょっと「お兄ちゃん子」にしてしまったようでした。
社会人になってからも「お兄ちゃん子」は変わらなかったので、
たくさんいた妹のファンから私は疎まれていたかもしれません。
妹はどちらかというと内向的で、気が小さく真面目でした。
私はずっと相当好き勝手なことをしてきたのですが、
妹から批判めいたことを言われたことが一度もありません。
本当に「できた妹」で、今もそれは変わりません。
昨日、友達から後輩の訃報を知らされました。
彼とは一緒にラグビーをしたりバンドもしたりと、
いわゆる遊び仲間だったのですが、妹の同級生でもありました。
いつだったか、彼がウチに遊びにきたときに
「最近、妹に変な電話がかかってくる」(当時は黒電話のみの時代です)
と、話したら
「今日から俺がここで番しますから、大丈夫です」
と、胸を叩いて真顔で答えました。
彼が言う番とは「駐車場で仁王立ちする」ことのようだったので、
いたずら電話に効果があるとは思えなかったけど、
兄としてはとても嬉しかったことを今でも覚えています。
妹のことを好きだったのか、
彼に聞くことはできなくなってしまったけれど、
訃報を聞いた時に、あの日のことが思い出されました。
合掌。