セクシィ(S)
気がつくと、自然に口ずさんでいる曲がある。
繰り返し繰り返し、きっと何百回も聴いて、
自分にとってのソウル・ソングになっている曲。
そんな曲ってたくさんないけれど、
そのなかの1曲を、なんだか無性に聴きたくなった。
レコードに手をかけてから、
ふっと「YouTubeにもあるのかな」って思い、
探してみた。
検索に『石川セリ』と打ち込んだら、
どんどん出てくるのでびっくり。
その中で、ある1本に目が止まった。
石川セリを聴いていた当時、
同じようによく聴いていた人との共演版が、
アップされていた。
YouTubeって本当にすごい。
センターでギターを抱えた人が、
誰だかわからないくらい変わっていたけれど、
歌い出して、その声を聞いて、
やっと下田逸郎だとわかった。
30代で芸能界を離れたくらいまでしか知らなかったけど、
また音楽の世界に戻っていたんだ。
聴きたかった曲は、彼が石川セリのために書いた曲。
井上陽水と一緒になった後、
彼女は引退したのかと思っていた。
最近の音楽事情は、全く知らない。
調べたら51歳の時に大動脈解離を発症し、
「大手術を受け、生死を彷徨った」とあった。
その後、また歌うようになったみたい。
声が出にくいのはそのせいなのかな。
驚いたのは、
このライブ収録時の彼女は、たぶん60歳。
30年以上前の「セクシィ」な詩に、
全く置いて行かれないほど、
艶があって可愛くて魅力的。
こんなチャーミングな60歳を、他に知らない。
懐かしさだけだったら、
決してそんなふうには思わないだろう。
歌い出しのオクターブ違い(?)も含めて、
本当にチャーミング。
大好きな二人の共演を聴いてもらえたら嬉しい。
渡辺香津美のギターも素晴らしいです。
YouTubeのすごさは分かったけど、
感謝したのは初めて。