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思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

時どき思い出す約束(M)

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先日あるウイスキーのキャッチコピーについて書いた。

「何も足さない、何も引かない」ってやつ。

 

ところでウイスキーとカタカナで書いたけど、

実は英語の綴りは2通りだ。

アメリカやアイルランドではWhiskey、

スコットランド(イギリス)を含む

その他の国ではWhiskyである。

バーボンはWhiskeyで、

スコッチはWhiskyってこと。

ちなみに日本での表記はWhiskyだ。

 

まあそれはどうでもいいけれど、

その記事の中で作家の開高健氏に触れた。

その触れ方があまりに中途半端だったので、

申し訳なく、気になっていた。

氏は株式会社壽屋(ことぶきや)の宣伝部を経て、

のちに作家として名を残した。

壽屋は現在のサントリーである。

「裸の王様」で第38回芥川賞を受賞しているだけでなく、

随筆やノンフィクションも多く書かれている。

なので、氏が残された珠玉ともいえる名言の中から

好きな言葉をひとつだけご紹介したいと思う。

ウイスキーの話から始まったので、

これはぴったりだし、何と言っても深い。

出典は忘れてしまったけど、

なぜか記憶から消えない。

 

「男にとって思い出以上の酒のサカナはまずあるまい」

                      開高健

 

あの世で一緒になる約束をした女(ひと)がいる。

ずいぶん前のことだけど、

たぶんこれは時効のない約束に違いない。

がっかりさせたくないから、

もうろくしてヨボヨボになる前に、

逝ったほうがいいのかもしれないと、

ときどきその約束を思い出したりする。

 

気を利かせて先に行って待っていたのに、

「どちらさまですか?」って言われたらショックだし、

なんといっても逝っちゃたら戻れない。

それとも長生きして、

「お待たせしました」って言うのがいいのだろうか。

結構、逝くタイミングが悩ましい。

 

死んでからしなくちゃいけない事があるなんて、

それが幸せなことなのかどうかもわからないけど、

そもそも相手が覚えているかだって、

怪しい気もする。

 

でも、誰かがこんなことを言っていた。

「女はしてもらったことは覚えてないけど、

  してもらわなかったことは絶対に忘れない」

 

そうだとしても、そうでないにしても、

ふと思い出す記憶のひとつひとつが、

切なさや哀しみにつながっていく。

 

こんなことを書いているのは、

きっと昨日の夜中にこれを聞いたから。

youtu.be

・・・ってことに、しとこ。

 The Rose。