東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

レビュー(L)

f:id:wired1997:20190320233224j:plain

数日前、東京に住む妹から

「◯◯さんが新しい本を出したので、

 立ち読みして良かったら買ってください」と、

短いメールがきた。

 

◯◯さんとは妹の旦那で、私の義弟になる。

本職は新聞記者(編集委員)だけど、

本も何冊か出している。

「はいよ」とメールを返して妹を安心させ、

そうだ!と、アマゾンをチェックしてみたら、

さすがというか、もう新着本で紹介されていた。

レビューは、まだない。

暇なので一緒のページに紹介されていた、

過去に出した本の中から、

本人は、こういうのチェックするのかなと思いながら、

なんとなくレビューを読んでみた。

何より商品のレビューと違って、

やたらと長文ばかりで読みごたえがある。

ちょこっと書いたものなどひとつもなかった。

 

ところで、アマゾンのレビューは、

誰が書こうが、どんなことを書こうが、

それがみんな公開されてしまうのだろうか。

褒めたものもあれば、辛辣なものまでいろいろある。

ここでも読者は王様なのだ。

このレビューが購買動機に影響するのだろうから、

作家というのも大変だなと思う。

書店に並ぶ本の紹介POPに、

匿名のレビューがついて売られることは、

多分あり得ないだろうに…。

 

 

妹には「はいよ」と言ったけど、

まあそのうちにと思っていたら、

今度は書いた本人からメールが来た。

「◯◯から聞いてるかもしれませんが、

 新しい本を出したので・・・」ときた。

◯◯は妹の名前だ。

 

「もちろん聞いてます・・・」

みたいなやり取りを数回していたら、

面倒になったようで、

今度は電話がかかってきた。

今までに何冊も出しているけど、

こんなことは初めてだし、

「良かったら・・・」の先に、

「良かったら、何冊か・・・」

というニュアンスを感じたので、

「何冊か買って、配りますよ」

と太っ腹なところを見せてみた。

本人が営業するなんて、びっくりしたので。

 

そこでアマゾンのことを思い出し、

新着で紹介してあったことを話して、

「書店で買うのと、アマゾンで買うのは

 どっちがいいの?」と聞いてみた。

「書店で買う場合は、

 影響力のあるところがいいんですが、

 お兄さんのとこは田舎なんで、

 アマゾンの方がいいです」

 

なんか悔しかったので、

紀伊◯屋があるから、そこはどう?」

と食い下がってみたけど、

「やっぱ、東京の紀伊◯屋と、

 地方の紀伊◯屋では影響力が違うんで、

 アマゾンで買ってもらえれば…」 

・・・だそうです。

アマゾンの影響力、恐るべし。

「わかりました。アマゾンで何冊か買います」

「お願いします」

「はいはい、わかりました」

 

「ついでに、レビューもお願いします!」

「・・・・・・」

 

しょっちゅう来るアマゾンからのメール、

『お客様のお買い物傾向や閲覧履歴にもとづく

 おすすめ商品をお知らせします!』

『〇〇のレビュワーとして、

 このお客様の質問にお答えいただけますか?』

 

レビューのデビューなんかしたら、

アマゾンから、さらなるメールが入るのだろうか。

まさか、こんなオチになるなんて…。

 

それにしても、本屋さんごめんなさい。

それでは、また。