東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

後輩(S)

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11月の末にやったばかりだというのに、

また「偲ぶ会」の連絡がきた。

病んでいた後輩の命が尽きたのだ。

 

ひとりを送ってから、

まだ半年も経っていないのだから、

ふたりが続けて逝ってしまったように感じる。

ふたりは同級で、仲も良かった。

先に逝った彼が、

「早く来いよ」と呼んだのかもしれない。

 

糖尿が悪化し、やせ細った彼。

昔の面影はなく、最近は別人のようだった。

このところ入退院を繰り返していたし、

彼に残された時間があまりないことは、

みんな知っていた。

それでも、知らされれば、

何とも言いようがなく寂しい。

 

「やっぱりだめだったか」と、

静かに受け止め止めるしかないけれど、

そうだとしても、後輩が先に逝くのは

やっぱり、なんとも言いようがない。

「お前ら順番が違うだろう」って。

 

ふたりとは一緒にラグビーで泥まみれになって、

バンドでも一緒にステージに上がった。

彼は、家業を継いで大工だった。

そんな彼が自宅の仕事場で、

右手の指を3本落としてしまったのだ。

使い慣れた丸ノコだったはずなのに・・・。

木屑の中からそれを拾って病院に急いだけれど、

結局ついたのは1本だった。

それでもその傷が癒えた後は、

テーピングをぐるぐる巻いてグラウンドに立った。

アルペジオが出来なくなったと言いながら、

バンドでのギターも続けた。

やんちゃだったけど、

先輩思いで本当にいいやつだった。

 

またひとつ大切な想い出が、

額縁の中に入ってしまった。

 

合掌