東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

ラグビーという競技が示す多様性について(L)

TVニュースを見ていたら、

ラグビー・ワールドカップ用の

楽しくてカッコいい観戦グッズとして

「RUGBY NIWAKA DE GOMEN」と

プリントされたTシャツが、大人気だという。

実はこのTシャツ、

放送では言わなかったけれど、

にわかラグビーファン代表の

糸井重里氏が考えたようです。

「ほぼ日コラボ!」さすがですね。

 

5日に行われたラグビーW杯「日本-サモア」戦の

平均視聴率が32.8%だったそうです。

この数字、今年のスポーツ中継では堂々第1位で、

さらに瞬間最高視聴率(関東地区)については

46.1%という驚異的な数字だったそうです。

 

ということで、またまたラグビー

 

人気のチーム・スポーツはいろいろありますが、

なぜかプレーヤーの人数はマチマチです。

その中で、

最も「グラウンド上の選手数が多い競技」が

ラグビーで、なんと15人です。

ちなみにバスケットボールとフットサルは5人で、

アイスホッケーとバレーボールは6人。

ご存知の通り野球は9人で、

サッカーとアメリカン・フットボールは11人。

なので、ラグビーの15人は圧倒的です。

 

役割分担で考えても

ラグビーには10のポジションがあるので、

それぞれのポジションの特性にあわせ、

様々な特徴を持った選手が必要になります。

 

それぞれのポジションに、

スペシャリストを配すということでいえば、

アメリカン・フットボールが徹底していて、

とにかく全員がスペシャリストです。

先ほどアメリカン・フットボール

11人の競技と書きましたが、

実はチームの中に

「オフェンス・チーム」

「ディフェンス・チーム」

さらには「キッキング・チーム」があり、

それぞれが11人です。

要はひとつのチームの中に、三つのチームがあり

攻守が変わるたびに専門のチームが登場するのです。

合理的というか、徹底しています。

 

野球で指名打者制度というのがありますが、

それの拡大版みたいなものですね。

ピッチャーだけ代わりの人が打つという

中途半端はやめて、

「打撃チーム(9人)」と「守備チーム(9人)」が

交互に出てくる野球を想像してみてください。

そんな感じです。

それはそれで面白いような気もしますが、

とにかくアメリカン・フットボールとは

そんなスポーツなのです。

 

話が横道にそれてしまったので、

その辺りの話は別の機会にするとして、

ラグビー選手の多様性についてです。

昔からアマチュアラグビーにおいては

ラグビーには上手いやつ、早いやつ、強いやつ、

 大きいやつはいるけれど、偉いやつはいない」

と、言われてきました。

最後の「偉いやつは…」はともかく、

何と言っても15人揃えなければチームが出来ないので、

「身体が小さくても、足が遅くても、

 ラグビーには出来るポジションがあるよ」といって、

メンバーを集める必要があったのです。

多様性を尊ぶというより、

やむなくという感じですね。

と同時に、そんなこと言っているから

日本のラグビーは強くならないんだと、

口さがない連中に言われてきました。

 

今回、大会の盛り上がりにあわせて

様々な記事が色々なメディアで取り上げられています。

その中で、あるジャパンの選手が、

こう語っていました。

ラグビーには身体が小さくても、足が遅くても、

 出来るポジションがあり、だから素晴らしい」と。

 

そうなんだ・・・

やむなくではないんだ・・・

 

その一文は、競争優位の源泉として、

多様性を能動的に生かすとはどういうことなのかと、

実際に証明してみせた者達の言葉として、

なんだか凄く重みがありました。

止むを得ずではなく、

これこそがラグビーの目指すものであり、

そして魅力なのだと。

深いです。

 

それでは、また。