東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

天国ってどんなとこ(M)

人は死んだら「どこに行くのだろうか」と、

時どき考えてしまう。

というか、

人は死んだら「どうなるのだろうか」

といったほうがいいのかもしれない。

“死は、単なる物理的変化である”

などといわれても、本当のところはよくわからない。

 

どこに行くのかということについては、

天国と地獄があるというのをよく聞くものの、

二択というのは少々無理があるような気がする。

いい人は天国へ行き、

悪い人は地獄に落ちるらしいけれど、

いい人に魔が差すこともよくある話だし、

悪い人が悪いことばかりしているとも思えない。

周りを見たってどっちつかずの人ばかりである。

どちらかといえば「いい人」と、

どちらかといえば「悪い人」に振り分けるにしても、

どんな基準で、誰が分けるのかが解らない。

とにかくどちらともいえない人は、

このままでは行き場がなくなってしまう。

 

いちばん厄介なのは、

その場所はどこにあるのかもわからないし、

実は誰も行ったことがなさそうだということ。

世界中で毎年約5,500万人が死んでいるという。

「天国や地獄」がどこかに存在しているのなら、

「そこ」に行った大勢の人の中から

何らかの理由で戻ってきた人がいても、

不思議じゃないというか、あり得そうではないか。

何といっても、毎年5,500万人である。

ところが、信憑性のある体験談があるならば、

大きなニュースになるはずだけど、

そんなニュースは全くない。

 

「講釈師 見てきたような嘘をつき」とは

昔からよく使われる言葉だが、

散見する蘇った人の体験談は、

この域を出ないような気がする。

そう思うのは、体験談が描く天国の情景が

人によってバラバラだということ。

テーマ・パークじゃあるまいし、

もしもあるならば、天国はひとつであって欲しい。

 

まあ、このあたりのことは

いくら考えても、いくら想像力を働かせたとしても、

結局のところなにもわからない。

「死んだらどうなるのか」ということも、

さらに、なにもわからない…。

 

そういえば、

「天国よいとこ一度はおいで…」と歌った

加藤和彦さんが亡くなって、もうすぐ10年になる。

歌の通りだとすれば、

天国はなかなかいいところのようだ。

この曲の英文の表記は

「I Only Live Twice」であるが、

かの007シリーズの

「You Only Live Twice」のもじりである。

 

ついでに、ずいぶん昔のこと。

「天国にいったら、神様のオンナになりたい」と

仲のいいおんな友だちが言っていた。

話の前後は全く覚えてないけど、

なぜかこの台詞だけは覚えている。

 

どうせ天国の話をするのなら、

このぐらいの艶があったほうが

ずっと楽しい。

 

それでは、また。