東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

桜散る(M)

予選を4戦全勝で突破したジャパン。

初の決勝トーナメントにコマを進め、

迎えた南アフリカ戦。

前半をなんとかこらえたジャパンに対して、

後半はギアを一段上げた感のあるスプリングボクス

結果は完敗を喫し、

ジャパンは今大会の全日程を終えた。

 

大会は続くけれど、

正直に言えば、祭りの後の寂しさを禁じ得ない。

そうだとしても、ジャパンがみせてくれた感動を

敬意と感謝とともに書かずにはいられない。

 

「ありがとう!」

 

日本代表(ジャパン)は、

もともと桜のエンブレムにちなんで

「チェリー・ブロッサムズ」と呼ばれていた。

長く世界の中では相手にされなかったけれど、

2003年のワールドカップ

強豪国を相手に勇敢な戦いをし、

翌日の現地新聞がジャパンを

「BRAVE BLOSSOMS」と讃えた。

ブレイブ・ブロッサムズとは

勇敢な戦士と言う意味である。

以来、ジャパンの愛称は、こう呼ばれるようになった。

 

歴代のジャパンはそれを引き継ぎ、

とうとう到底不可能と言われた

決勝トーナメントへ進んだのだ。

 

スポーツの世界では「心・技・体」と言う。

特にコンタクト・スポーツでは

身体の大きさはある意味決定的で、

実際多くの格闘技は体重制を敷いている。

ミドル級のボクサーとヘビー級のボクサーが

試合をすることはない。

「柔よく剛を制す」というのは、

現実的にはむずかしいのだ。

ジャパンは体格のハンディを技術で補おうとし、

一定の成果を上げた時期もあったけれど、

世界がそれに対応した時点で、

やはり身体の強さが問題になった。

結局、徹底的に鍛え身体を大きくし、

また外国人を代表に加え大型化を図った。

 

しかし、最も大切なことは

「技」や「体」にあるのではなく、

「心」であった。

繋ぐということの本質は、ここにある。

「いつか世界に伍する」という

先人・先輩の夢を

「なんとしても実現する」という「心」であり、

「心意気」であろうか。

それが選手の言動やプレーから溢れ、

それを感じられるとき、

スポーツがエンターテイメントの枠を超え、

私たちの魂を揺さぶるのだ。

 

こうなったら、

ジャパンを打ち負かした

「スプリング・ボクス」の「にわかファン」になって、

南アフリカを応援したいと思う。

 

それでは、また。