東京まで77.7マイル

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大坂なおみの魅力

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大坂なおみ(敬称略)がテニスの全米オープン女子シングルスで優勝した。

快挙である。

 

最初は「がんばってるなあ」と言うぐらいで見ていたのだが、

9月7日付けの“ある新聞記事”を読んで、

私はすっかり大坂のファンになってしまった。

 

錦織とともに4強に進出した、次の日である。

 

記事は日刊スポーツ新聞社の吉村忠弘氏の署名入りで、

新聞だけでなく、nikkansports.comでも配信されていた。

記事のタイトルは

「大坂は鈍感力が武器 ラケットは市販品」であった。

 

要約すると大坂が使っているラケットは特注品どころか市販されているもので、

愛好家が使うものと全く変わらないということだった。

ストリングスの素材も同様だという。

 

たしかに優勝賞金が4億円を越えるような大会で、

フレームの両サイドに鉛を張ってバランスを調整したラケットなんて

見たことない気がする。

 

そもそもテニスに限らず世界一を決めるような試合で、

こんな話は聞いたこともない。

プレースタイルなんかより、私はこんな話に惹かれるのだ。

イチコロである。

 

全米オープンの会場はニューヨークである。

大坂にとっては完全アウェーであったが、ものともしなかった。

かっこいい。

 

優勝を決めた後、

「ニューヨーカーにも祝福されるのかな」と、

だいぶ前に読んだ記事を、突然思い出した。

 

ニューヨークメッツが優勝したとき、

地元の放送局は次のような天気予報を流したのだ。

「本日快晴。ただしところにより紙吹雪」

ところと言うのがメッツの優勝パレードが通過する通りであるのは言うまでもない。

こういうのをウィットと言うのかと、少しうらやましかった。

かっこいいですよね。

 

そんな先入観もあったのか、

試合後のセレモニーを少し複雑な思いでみていたけど、

彼女はとても立派だった。

タフな試合を制した後の、ラフな扱いにも礼儀を失わなかった。

 

やっぱり本当にかっこいい。