東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

桜の木に教えてもらったこと(M)

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いつものように朝のラッシュにはまって、

否応無しにノロノロ運転に切り替わったときのこと。

なんの脈絡もなく家から会社までの間に、

一体何本の桜(の木)があるだろうかという、

どうでもいいようなことを思いついた。

 

そういえば、出がけに震えながら車に乗り込んだとき、

「この寒さじゃ桜も大変だなぁ」と、

思ったような気もする…。

そんな気もするけれど、

「ケータイデンワヲ ワスレテ イマセンカ?」という、

エンジンを掛けた後に必ず喋り出す、

お節介なカーナビの機械的な声に注意を取られ、

桜への意識はどっかに行ったはずだった。

なのに、無意識にもしぶとく残っていたのだろう。

 

そもそも、ここ何年もの間、

改めて花見に行くこともなく、

車窓から見るともなく、なんとなく眺めて、

花見はそれでおしまいということを繰り返してきた。

見頃に多少の前後はあるにせよ、

キレイに咲いて、見事に散る。

「毎年それの繰り返し」というくらいで、

それ以上でもそれ以下でもなかったのに、

この桜への関心の高まりは、どうしたものか。

たぶん、色々な方のブログの中にアップされている、

見事な桜の咲きざまがどこかに残っていて、

その意識がなんとなく桜に向かわせたのだろうか。

 

とにかく「何本だろう?」と思ったので、

さっそく数え始めた。

「い~ち・・・・、に~い・・・・」

一般の個人住宅で、

桜を植えているところはあまりないようだ。

「さ~ん・・・」

国道に面した交差点を赤信号で止まったところで、

カウントはまだ3。

桜は大木が多いので、

割と手前から容易に見つけることができる。

このペースでいけば楽勝だ。

そして青信号になる前に、

一気に集中モードのレベルを引き上げる。

渡ればその先は大学病院で、

道路沿いは見事な桜並木である。

ここを数え切れば、ゴールは近い。

 

青信号に変わって走り出すと同時に

「・・・4・5・ろ〜あれっ・7・あれっ・・あ~あ~」

 

あっけなく試合終了。

己の動体視力のなさを、

朝から桜の木に教えてもらった。

 

季節はずれの雪で視界が悪かったなんて、

口が裂けても言わない…。

まあこんな日もあるよね。

それでは、また。