夢見る人に話しかけてみた・・・
私が大好きな、仲の良い夫婦がいます。
奥さんは、服飾雑貨のデザイナーをしていて、
昨年は社長賞をいただいたと言っていたから、
とても優秀なんだと思います。
洋服好きの人だったら知らない人はいない上場企業です。
なのに、何1つ自慢めいたことは言いません。
彼女は仕事柄、海外出張が多く、
特に生産拠点のある中国へは、よく行くようです。
彼は家にいて、自分の仕事をしています。
物語はベッドの中。
夜中のことです。
彼女の寝言に気づいた彼は、耳をそば立てました。
どうも中国にいるようだけど、よからぬことが起きたらしい。
よく聞くと、中国人のアテンダーに助けを求めているみたいです。
どうやら出張中の中国で、バッグを何者かにひったくられた夢らしい。
アテンダーの中国人を盛んに呼んでいるのだが、どうやらこう聞こえます。
「きんぎょくさん、きんぎょくさん・・・」
夢を見ている人に話しかけてはいけないみたいだけど、
それを知ってか知らずか、思わず彼は話しかけてみました。
「なんか “キン◯マ” みたいな名前だなあ」
*すいません。一応伏字にしてみました。
夢の中にいた彼女は旦那の声に思わず
「ぷふっ・・・」と返したそうです。