曲の魅力と声のチカラ(L)
要は同じことを聞かされているのに、
その言い方や話し方によって、
聞き手が受ける印象はずいぶん変わるものだ。
この人は「何をいいたいのか」ということは、
「どんな言い方」で話してくれたかで、
伝わり方(伝わる内容)は変わってしまう。
なので、人にお願いをするような場面では
理屈や根拠を示す以上に
どう伝えるかということが大事である。
理屈は分かってもらえたとしても、
「どうも、気にいらねぇ」
などと思われたら物事は進まない。
ところで言い方や話し方は
気をつけることができるけれど、
「声」そのものは変えることができない。
声は生まれ持ってのもので、
声の大小や感情の込め方がどうであれ、
声そのものは変わらない。
さらに滑舌・発声・話し方・・・等々、
たとえトレーニングを積んだとしても
やはり声そのものはあまり変わらないのではないか。
変に声色(こわいろ)を変えたところで、
打算が見え隠れして、みっともないし…。
ところで、どんな声が心地良いかは、
言ってみれば好みの問題で、
人によって様々だけど、
自分の声が好きだという人は少ないようだ。
ちなみに自分が普段聞いている自分の声は、
他人が聞いている自分の声とは
違って聞こえていることは、
よく知られている。
録音した自分の声を聞いてみて、
「え~!へんなの~」
と感じた経験を持つ人は
意外と多いのではないか。
とにかく声は大事な個性の一部だけど、
好むと好まざると、変える事は難しいのだ。
一般的に「ある曲」の評価は
オリジナルが公開された時点で決まる。
さほど評価されなかったものが
別の誰かがカバーしたことで、
再評価されることもある。
逆の場合も当然あって、
オリジナルにあやかりたかったのだろうけれど、
なんだかガッカリするカバーも散見する。
それがボーカル曲であれば、
歌い手の役割はとても大きいのだ。
今回紹介する動画は、三つ。
最初の曲は「One Love/上を向いて歩こう」で、
オリジナルは坂本 九さん。
まさに世代を超え、時代を超えて、
今後も歌い継がれていくに違いない、名曲だと思う。
このバージョンは私の「お気に入り」のひとつだけど、
特に「上を向いて歩こう」の出だしを担当している
「Sino」さんの声が妙に耳に残る。
はにかみながらも、ちょっと低い声で歌っている少女。
元気でやってるのかな…。
どんな大人になっているのかな…。
公開されて何年も経つのに、
再生するたびに、今でもそう思う。
次の動画は「上を向いて歩こう」のカバーで、
歌い手は近藤房之助さん。
憂いに満ち、深みがあって、ブルージー。
最後は、最初に紹介した「Sinon」さんのもので、
曲はCarpenters(カーペンターズ)の
「I need to be in love(青春の輝き)」
日本人の歌う英語曲のカバーは
ちょっと残念なのが多いけれど、
これは別格だと思う。
*sinoさんは、sinonさんに改名しました。
それでは、また。