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思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

将棋駒に彫られている書体

Blogを書き始めてそろそろ2週間になる。

 

ほぼ毎日投稿してきたが、読者になってくださった方は一人である。

 

ハンドメイドがご趣味ということで、私の経験が少しでもお役に立てればと、

予定になかったワイヤーワークのあれこれを書き始めたところである。

 

もう一人、よく読んでくださっている方がおり、

その方にも何か謝意を伝えたいと思っていた。

 

私のblogはいわゆる「雑記」で脈絡がない。

正直何を書いたらよいのかわからないので思いつくままに書いているのだが、

そんな「雑感私見」を読んでくださっているのだから、ありがたいことである。

 

その方のblogでは書道家の村上翔雲先生の作品を紹介しながら、

身近な植物への思いなどが綴られている。

静かで穏やかで温かみのあるページである。

写真も配されていて、とても読みやすい。

 

わたしのblogは文字ばかりで、更に長い。

スマホで見るには耐え難いが、それは今後の課題である。

私も植物は好きなので、そのことを書いてもよいのだが、

折角なので書にまつわることはないかとずっと考えていた。

 

将棋の駒に書かれている(彫られている)文字に、

書体があることはあまり知られていないと思う。

将棋に興味があってさえ、むしろ知らない人の方が多いのではないか。

理由は簡単だ。

普及品には書体名など書いてないのが普通なので、

書体のことなど誰も気に留めないのだろう。

 

ところが、駒師が彫る駒にはいろいろな書体があるのだ。

駒師とは将棋の駒を作る職人である。

駒師の手がける駒は、駒の表裏に文字が彫られる他に、

王将(おうしょう)駒、または玉将(ぎょくしょう)駒の底に

作者名(駒師)、そしてもう一方に書体名が彫られている。

 

書体として有名なのは「錦旗」「水無瀬」「巻菱湖」などであるが、

その他にも「王義之」「英明」「無剣「淇州」「清安」などなど

実に100種類を超える書体があるようだ。

 

面白いのは、同じ書体であってもそれぞれの駒師により

少しずつ違いがあるということだ。

駒師はそれぞれに書体帳(字母紙)を持っており、

それを元に駒を彫るのである。

 

「彫駒」「彫埋」「盛上」と、彫ったあとの仕上げ方にもグレードがあり、

とにかく第一人者の彫った駒は、眺めていて飽きさせない美しさを持っている。

 

将棋のタイトル戦に使われる駒は、その時々で色々なものが使われる。

将棋連盟が所蔵しているものを使う場合もあるし、

タイトル戦が開かれる地方の“愛好家が所有する駒”が使われることもあるそうだ。

 

以前は近くに碁盤店がなければ実物をみることはできなかったけれど、

今ではインターネットで多くの駒をみることができるようになった。

良いものはおいそれと手が出る価格ではないが、見て楽しむことは誰でもできる。

 

便利な時代である