本読み(L)
昨日、
「本なんか、もう何年も読んでないな」と書いた後、
本が大好きだった父のことを思い出しました。
このブログは父が使っていた部屋で書いているのですが、
父が亡くなった今でも、本棚の本はそのままです。
反対側の壁も半分は同じ様に作り付けの本棚ですし、
とにかくこの部屋だけでも相当な量の本です。
私の父は、本当に本が大好きでした。
家にいるときは朝から晩まで読み続けていましたが、
最晩年、体調を崩して入院した病院でも、
亡くなる前の日まで本を手放しませんでした。
その数年前、まだ父が元気だった頃の話です。
あるとき、私の知り合いのご尊父が入院されたのですが、
本が大好きだと聞いたのでジャンルを確かめたところ、
父が好むジャンルも大好きだとのこと。
なので父に相談すると
「何と何がいい」と見繕ってくれたので、
その作家の本を7~8冊買って、
お見舞いのお花の代わりにしました。
すでに所蔵している可能性もありましたが、
それを確認できる状態ではなかったので、
代表作を選んだような記憶があります。
実際、ご尊父の状態は非常に悪かったのですが、
大層喜んでくださいました。
病床にあっても、頑張れば本は読めるようでした。
驚いたことに、本を届けた日の翌日から、
あらゆる検査数値が良くなったのです。
医者が驚いて、
「理由が全くわからない」というので、
知り合いが本の話をしたら
「そんなこともあるのかなあ」と言ったそうです。
残念ながら快方にまで導くチカラまではなかったのですが、
それでも本の持つチカラを実感したのでした。
そのことを父に話したら
「ホンヨミはそういうものだ」と言うので、
「ホンヨミって何?」と聞き返すと、
「ホンヨミはホンヨミだ」と言って、
読んでる本に視線を落としてしまいました。
父は寡黙な人でした。
「ホンヨミ」なんて単語は知らなかったので、
造語かと思ったのですが、私が知らないだけで、
「本読み」は広辞苑にも載っている言葉でした。
そんなことを思い出しながら書いているのですが、
なんだか「下手くそな作文なんか書いてないで、本でも読め」
って声が聞こえてきそうな気がしてきました・・・・・。
それでは、また。