東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

本読み(L)

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昨日、

「本なんか、もう何年も読んでないな」と書いた後、

本が大好きだった父のことを思い出しました。

このブログは父が使っていた部屋で書いているのですが、

父が亡くなった今でも、本棚の本はそのままです。

反対側の壁も半分は同じ様に作り付けの本棚ですし、

とにかくこの部屋だけでも相当な量の本です。

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私の父は、本当に本が大好きでした。

家にいるときは朝から晩まで読み続けていましたが、

最晩年、体調を崩して入院した病院でも、

亡くなる前の日まで本を手放しませんでした。

 

その数年前、まだ父が元気だった頃の話です。

あるとき、私の知り合いのご尊父が入院されたのですが、

本が大好きだと聞いたのでジャンルを確かめたところ、

父が好むジャンルも大好きだとのこと。

なので父に相談すると

「何と何がいい」と見繕ってくれたので、

その作家の本を7~8冊買って、

お見舞いのお花の代わりにしました。

すでに所蔵している可能性もありましたが、

それを確認できる状態ではなかったので、

代表作を選んだような記憶があります。

実際、ご尊父の状態は非常に悪かったのですが、

大層喜んでくださいました。

病床にあっても、頑張れば本は読めるようでした。

 

驚いたことに、本を届けた日の翌日から、

あらゆる検査数値が良くなったのです。

医者が驚いて、

「理由が全くわからない」というので、

知り合いが本の話をしたら

「そんなこともあるのかなあ」と言ったそうです。

残念ながら快方にまで導くチカラまではなかったのですが、

それでも本の持つチカラを実感したのでした。

 

そのことを父に話したら

ホンヨミはそういうものだ」と言うので、

「ホンヨミって何?」と聞き返すと、

「ホンヨミはホンヨミだ」と言って、

読んでる本に視線を落としてしまいました。

父は寡黙な人でした。

「ホンヨミ」なんて単語は知らなかったので、

造語かと思ったのですが、私が知らないだけで、

「本読み」は広辞苑にも載っている言葉でした。

 

 

そんなことを思い出しながら書いているのですが、

なんだか「下手くそな作文なんか書いてないで、本でも読め」

って声が聞こえてきそうな気がしてきました・・・・・。

 

それでは、また。