東京まで77.7マイル

思いつくこと、思い出すこと、思いあぐねていること。それから時どきワイヤーワーク。

特別な日(M)

ラグビーワールドカップが進むにつれ

毎日、関連する多くの記事が配信されています。

胸が熱くなるようなものも少なくありません。

 

先日、お昼時のNHKテレビを見ていたら

京都大ips細胞研究所長の

山中伸弥先生がゲストで出演されていました。

番組タイトルは

ノーベル賞から7年 研究の今」とあり、

今年のノーベル賞の発表に合わせ、

山中先生から何らかのコメントを

引き出したいという企画でした。

どんな話になるのだろうと耳を傾けていると

先生の口からはノーベル賞とは関係なく

「95年のラグビーWカップ南アフリカ大会で、

 ジャパンはニュージーランドを相手に“17-145”という

 ワールドカップ史上最多失点の敗戦をしました。

 128点差です!

 そこから立て直して、今があるのかと思うと

 ほんとうに胸が熱くなります」と、

なんとジャパンを讃える話から

スタートしたではありませんか。

 

ジャパンとはラグビー日本代表のことで、

放送のあった時点で日本代表チームは

すでに3勝をあげていました。

ラグビーに興味のない人にとっては、

ノーベル賞の話はどうしたん?」

って感じだったと思いますが、

日本代表の活躍がよほど嬉しかったのか、

しばらくラグビーの話を続けておられました。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、

山中先生は神戸大学医学部時代、

ラグビー部員でした。

そして、当時すでにスーパーヒーローであった

神戸大学の平尾選手にずっと憧れていたそうです。

ふたりは同学年です。

後年、ノーベル賞を受賞したあと、

ある雑誌の企画でふたりは意気投合し、

その後は酒を酌み交わし、

ゴルフを楽しむ仲になったようです。

というか、親友。

 

そんなとき、平尾さんは癌を発症し、

その時点で余命3か月半。

ついに帰らぬ人となりました。

闘病生活に寄り添ったのは、

山中先生です。

 

平尾さんを偲ぶ「感謝の集い」で、

山中先生は遺影に向かって静かに語りかけ、

最後に

「君を治せなくてごめんなさい」と詫びました。

全文は涙なくして、とても読めません…。

 

日本代表はスコットランドとの死闘を制し、

いよいよ10月20日には、

準々決勝の南アフリカ戦です。

 

この日は平尾誠二氏の命日です。

なにか運命的なものを感じるのは

私だけでしょうか。

 

それでは、また。