針金細工教室「ワイヤーワークの基礎 その3」
前回はペンチの機能についてでした。
ワイヤーワークでは、基本的に1本のペンチでだいたいのことはできるものです。
ですので、ペンチの扱いになれることがとても大事です。
ペンチの選び方も書きましたが、
どんなものでも使っているうちに馴染んでくるものです。
必要以上にこだわることはないと思います。
さて、今回は基本技術です。
技術とは、いかにペンチの機能を使いこなすかでもあります。
ペンチの機能とは「切る」「つかむ」
それから「曲げる」「ひっぱる」「ねじる」でした。
その中から最も重要だと思われる「つかむ」について書きたいと思います。
ペンチでワイヤーを「つかむ」ことは誰にでも出来そうなので、
以外かもしれませんね。
確かに「軽くつかむ」ことに技術は不要です。
大事なことは「強くつかむ」ことなのです。
ペンチの先につかんだワイヤーを、さらにチカラを込めて「つかむ」と言うことです。
問題は、どんな時に「締める」のかと言うことです。
では具体的に説明していきます。
ワイヤーを使って何か“カタチあるもの”を作ろうとすると、
一筆書き(ex:アルファベットネームなど)以外では、
何本もの切ったワイヤーを組み合わせることになります。
繋げていく感じですね。
繋げるとは、切ったワイヤーを別のワイヤーに固定(接合)することです。
ここに、AのワイヤーとBのワイヤーがあるとします。
では、それを繋げる(固定する)方法を考えてみましょう。
どうでしょう?
答えは2通りです。
ひとつは、何らかの接着剤を使って繋げる(固定する)方法です。
接着剤は、何を選んだら良いのかわからないぐらいの種類が店頭に並んでいますね。
グルーガンやハンダ付け、さらにはロウ付けなども考えられます。
結論から言うと、接着剤だけではワイヤーを固定させる強度が得られません。
わかりやすい例えで言うと、2本のワイヤーで十字架を作ろうとしてください。
その接点は、ほぼ「点」です。
瞬間接着剤で付けたとしても、少しのチカラで外れてしまうでしょう。
やはり、接着剤でしっかりつけるためには、ある程度の面積が必要なのでしょう。
グルーガンもリースにオブジェを付けたりするのには便利ですが、
針金をしっかり固定するほどの強度はありません。
ハンダやロウ付けは道具を揃えなければ始まりませんし、
綺麗な仕上がりを目指すためには技術も必要です。
ふたつ目は、接着剤を使わない方法です。
ですので、特別な道具も要りません。
繋げ方はいろいろ考えられますが、代表的な形を作ってみました。
本来は2本のワイヤーで作るべきですが、
気分で1本のワイヤーの端と端を繋げています。
特に意味はありません。
最初に思い付くのは、こんな感じです。
引っ掛けたワイヤーを元のワイヤーに戻してクネクネする感じです。
細いワイヤーだったら、ペンチがなくても大丈夫ですね。
サンプルは鉄のワイヤーで作ったので、キレイにできなかったのですが、
イメージさえつかんでいただければ十分です。
(注:キレイにできなかった言い訳です)
次の形は、留めるために別のワイヤーを使っています。
上からグルグルと巻いてきた細いワイヤですが、どこまで巻くかは自由です。
写真ではもう少し巻けば太いワイヤーが隠れますが、
さらに1本のワイヤー部分まで巻いていくこともあります。
この留め方は、アクセントにもなるので良いのですが、
全ての接合部分でこれをしていたら、うっとうしいし、そもそも面倒です。
これは、付ける相手(ワイヤー)にそのまま巻き付けてあります。
何回巻きつけるかは、自由です。
こんなに何回も巻きつけていれば、しっかり固定されるかと思われますが、
意外とそうでもありません。
最後は、一番すっきりした留め方です。
ポイントはワイヤーの先端の丸め方と、巻きつけた後の締め方です。
最初に「強くつかむ」→「締める」ことが、最も大事と書いたのは、ここの部分です。
「つかむ」と言うより「締める」と言った方が分かりやすいかもしれませんね。
締めるとは固く留める(とめる)ことなのです。
「かしめる」という表現もあります。
ここが上手く出来るようになれば、あとは何とかなるものです。
ずっと座学では飽きてしまうので、
最後に、エクササイズをやってみましょう。
ぜひ、作ってみてください。
用意するのは7センチのワイヤーが4本です。
その4本を全部使って四角(平面)を作ってみましょう。
順番は、こんな感じです。
①丸まっているワイヤーの先を20センチぐらい直線に伸ばす
②定規を当て、7センチのところに(細いマジックなどで)マークをつける
③マークをペンチで切る
④○○○○○○○○○○
⑤ワイヤーワークで四角形を作る
(注:④にはある作業が入ります)
次回は④に入る文字と合わせ、ここで作ったものを公開したいと思います。
ではまた。